1、映画『ピノキオ』基本情報
1940年製作/88分/アメリカ
監督:ベン・シャープスティーン
ハミルトン・S・ラスク
2、あらすじ
こおろぎのジミニー・クリケットが一軒のおもちゃ屋さんを見つけて近寄ると、ゼペットじいさんが人間の子供と同じ大きさの人形ピノキオを作り上げていた。
ゼペットじいさんは「ピノキオが動きますように」と一番星に願う。
すると星の妖精ブルーフェアリー天使は降りてきてピノキオに人間の魂を入れ、ジミニー・クリケットに彼の良心を監視するよう言いつけた。
ブルーフェアリーはピノキオがいい子になったら本当の人間の子供にすると約束する。
ピノキオが動いているのを見つけたゼペットじいさんは大喜び。
翌日から学校に通うピノキオには様々な誘惑と困難が待っていた。
果たしてピノキオは本当の人間の子供になれるのだろうか…
3、映画『ピノキオ』製作秘話
今から80年も前、第二次世界大戦前に作られた映画だと思うとびっくりするほどの美しさ。
それもそのはず、今回紹介する町はピノキオの冒頭シーンに出てくるのですが、当時のアニメーターが町並みを美しい水彩画で描き、透明感や味のある可愛らしさを再現したのです。
また、木の影からだんだんと町並みに近づくシーンはCGのない当時としてはアニメ技術の最先端。
奥行きを出すためのマルチプレーンカメラというものを使用しました。
80年たった今見ても、その技術に驚くと思います。
4、薔薇子レビュー
実は薔薇子が『ピノキオ」の中で一番好きなシーンはゼペットじいさんの家の中のシーン。
脳の中には「可愛い」を感じる部分があると思いますが、その部分がいくつあっても足りない、それがこの家の中のシーンなのです。
劇中で、ジミニークリケットがゼペットじいさんの家のことを次のように語っています。
「夢でしか見られないような時計がずらりとありました」
「どの棚もおもちゃでいっぱいでした」
「驚きました。ここはおとぎの国のようでした。」
ゼペットじいさんの家は、からくり時計や可愛いおもちゃでいっぱいなのです。
そんなところに住んでいるゼペットじいさんも、これまた本当に可愛いじいさんなのです。
ある夜、一番星を見つけたゼペットじいさんは自分で作った操り人形であるピノキオが本当の子どもになるようにとお願い事をします。
こんなに可愛いお願い事がどこにありますか?
もし私が願うとしたらユニ○ロの社長より大金持ちにしてくださいとかそんなんですよ。
ゼペットじいさんの願いを聞いたら心が洗われるような気がします。
そんな清らかな心の持ち主だからブルーフェアリーも願い事を聞こうという気になるのですね。
そしてブルーフェアリーから命を授けられたピノキオを見つけたゼペットじいさんと家の住人(子猫のフィガロ、金魚のクレオ)は、ピノキオとともに踊り出します。
こんな可愛い喜びの表現がどこにありますか?
もし私が喜びを表現するとしたらSNSにアップして自慢するようなことしかしませんよ。
ピノキオはブルーフェアリーに本物の子供になりたかったら良心を学べと言われていましたが、木の塊でなくとも自己顕示欲の塊な私は良心を学ばなければいけませんね。
とにかく大人になるとより、細部の可愛さが見えてくるこのシーン。
当時のアニメーターたちはよくもこんなに可愛い世界を作り上げたなと感心せざるを得ません。
胸を打つ可愛さを是非経験してほしい。
どうぞこの映画を見返してみてください!!
5、映画の舞台
ピノキオの住む町はドイツのローテンブルクがモデルとされています。
また、『ピノキオ』自体は、イタリアの作品ですので、本当の舞台はイタリアです。
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