※トップ画像のインド人は「怪しい占い師」ではありません。
薔薇子がお金を払って写真を撮らせてもらった蛇使いです。
インド旅行記2の続きです。
まだ読んでいない人は↓
占いをしてもらう
ということで着いたところは小さな汚い部屋であった。
そこにいたのは薔薇子の想像した感じとはかけ離れた
占い師の風貌のかけらもない、ただの太った中年男がいた。
彼はまず自分が見たという
アメリカのムービースターという太った金髪の中年女を見ているところの写真と
フランスのムービースターというこれまた太った金髪の中年女性
の写真が並んだファイルを見せて来た。
彼女らは自分がスターになると言ったらスターになったのだという。
シンジとやらが彼女らの名前を言ったが、
知らないし、薔薇子は彼女たちを聞いたことも見たこともない。
スターのはずなのに薔薇子が見たことも聞いたこともないなんて
本当にスターなのであろうか。
そもそもここには日本人しかこないのだから
適当なことを言ってるのではないだろうか。
その占い師とやらが、ちょいちょい日本語を話すのも
だまされた日本人がたくさん来ることを物語っている。
彼はまた、彼が占いを見た日本語で書かれた言葉(「当たりました☆」「すごい人です☆☆」みたいな言葉が連なっていた)
が入ってる小汚いファイルを薔薇子に見せてきた。
ムケさんの話ではちょっとバラナシに寄っただけのはずなのになぜそんな写真やら日本語やらのファイルをわざわざ持ってきたというのか。
中年占い師は
「私は未来、過去、恋愛、その他もろもろ、すべてが見えるのだ!
エブリシン(everything)!!!」
と身振り手振りを大げさにつけながら言った。
そして
「見るには3300ルピー(6600円程度)」
と小さな声でつけたした。
高い…
日本でもみてもらいたくないような値段である。
物価が日本の10分の1以下のインドで3300ルピーはとてつもなく高いお金である。
薔薇子は冗談じゃないと思うと同時に
インドに来たんだなという実感で思わず、軽く笑ってしまった。
薔薇子が即答で
「そんなお金ありません」
というと
「すべて見るのだぞ!
それに90パーセントは恵まれない子供たちに寄付するのだ!!」
とか言ってきた。
このふてぶてしそうな親父が親切に恵まれない子供にお金を渡すもんか。
違う、50パーセントをムケさんとやらとその一味に渡すのである。
薔薇子がないない言うと
「わかった、2200ルピーでもいい」
とか言い出した。
薔薇子がそれでもないない言うと
シンジが
「日本円はないの?
クレジットカードでも大丈夫だよ!」
とか口を挟んできた。
日本円!!!
クレジットカード!!!!
決定的に怪しい…!!
この太った親父が日本円をせっせとルピーに替えて
ガンジーのごとく優しい微笑みを浮かべながら
子供にお金を渡すとこなど一ミリも想像できない。
インディアン、嘘つかないといえども
東のインディアンはどこまで大嘘つきなものか。
本当に嘘つかなそうな(会ったことすらないけれども)
アメリカ先住民が
狼少年以上に嘘つきの彼らと同じ名称で呼ばれてるなんて気の毒でならない。
薔薇子がそれでも無理無理言うと
なんやかんや色々と言っていたが、
最終的に、「じゃあいい…」
って感じで占い師とシンジは実に落胆した様子で薔薇子を帰し、再びシンジと店に戻った。
ムケさんは「お前はムービースターになると言われた」
と言っていたけれど
20数年前の日本のドラマに脇役中の脇役で
ほーんのちょこっとでただけである。
どこがムービースターなのであろうか。
きっと占いで当てられたとか観光客相手の嘘だろうが
自分でムービースターとか言っちゃってるあたり、イタイ感じである。
実は、シンジをシンジロと言ってきた日本人2人と占いに行く前にばったり会い、
占いに行く旨を告げたところ
彼らも行きたいと言っていた。
薔薇子が「じゃあ一緒に行きましょう」というと
シンジはやたらあとであとで
と言って我々を引き離した。
団体より個体のがだましやすいからであろうか。
店に戻ると彼らがいて、
「どうでしたか?」
とたずねてきたので
わざと大きい声で
「3300ルピーですよ!3300ルピー!!
高すぎて無理ですよね!(だからお前らみんなだまされてるんだぞ)」
と言った。
そのときのムケさんとシンジの顔の曇ったこと、甚だしかった。
後日その日本人2人にまたあったとき
彼らはまだムケさん一味と絡んでいるようであった。
聞くところによると彼らはデリーでだまされ、大金を支払ったようである。
だまされる人はいつまでたってもだまされるのだ。
シンジは「明日また店きなよ!」
と言ってきた。
次の狙いはムケさんの店のものを買わすことである。
薔薇子は正直やつら一味に取り込まれることが本当にうざかった。
明日もきっとやつらはフレンドリーに話しかけてくるだろう。
一度話してしまった手前、無視はしづらい。
薔薇子はまだバラナシにあと2日いる。
ムケさん一味に絡まれて時間を消費することなく、穏やかに町歩きがしたい。
2日間をムケさん一味につきまとわれるのはごめんである。
これはなにか手を打たなければならない。
そこで薔薇子は彼らを騙す作戦を決行することに決めた。
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