インド旅行11 〜入院編④インドでの入院生活〜

世界ドタバタ旅行記

「インド旅行10〜入院編③帰れなくなった日〜」はこちら↓

インド旅行10 〜入院編③帰れなくなった日〜
インド旅行記9〜入院編③インド名物〜はこちら↓インドの病院に着くと、すぐさま薔薇子は点滴を打たれ、入院を余儀なくされた。夜中の3時くらいに病院へ行ったのだが次の日の12時にバンコク行の飛行機に乗る予定だった...




入院生活はというと、




辛かった。

入院中の食事。しょっぱすぎて飲めないスープとまずいパンと甘すぎて食べられないマンゴープリン。これが毎食でて、あまりのまずさに食べられずめっちゃ痩せた。

特に入院初期は本当に辛かった。

見知らぬ土地で言葉も通じない中、孤独に一人で入院する辛さを想像できようか。

しかもインドである。

しかも待ちにまった日本帰国日が伸びたのである。

しかも体調がすこぶる良くないのである。

薔薇子は何度泣いたかわからない。

やはり体調が悪いと人はすごく弱気になる。

大丈夫とは言われても、ここまで体調が悪いと重病なのではないかと思い、恐ろしくなった。

幾度となく日本に思いを馳せ、泣いたのである。

さらに病院といえども

やはりここはインド

街中や安宿よりはだいぶましだが病院もきれいではない。

置いてあるタオルも破けたりしている。

それに何が辛いって

病人の部屋と思えないほど、寒いのである。

暑い国、インド。

病院の設定温度はかなり低く設定されていた。

何度も何度も

「寒すぎる」

と訴え

時には氷の様に冷たくなった薔薇子の手を触らせたこともあった。

「エアコンの温度を高く」

とか

「なにか羽織る物を」

とか

「ブランケットをもう一枚」

とか

何をいっても彼らはたいして気にせず行ってしまうのである。

凍える様な寒さの中、薄っぺらい病院服一つで寝ていたら体調も悪くなるに決まっている。

薔薇子は関節と頭が痛くなり、熱が出た時のようになってしまった。

というか多分熱があった。

この地で自分を守れるのは自分しかいない。

そう思い体調が悪い中、スーツケースをあさって自分の持っている服を大量に着込んだ。

そうして寝たら、なんと見事に体調が回復したのである。

本当にここは病院なんだろうか。

病人が自分で治してどうするのだろう。

点滴が血管から漏れていて、薔薇子の右手はパンパンに腫れ上がった。これぞ大雑把インドクオリティ。

また、右手が常に点滴につながれ、あまり使えないので

ベッドでの食事などは大丈夫だったが、

トイレの後始末などは全て左手で行わなければならなかった。

インド人にとって左手は不浄(汚い)の手であり、

左手で汚物処理などをするらしい。

こんなところでまさかインドのしきたりを強いられるとは思いもよらず

インド嫌い嫌い言っている日本人に

インドの神様がインド文化に触れさせたのかなぁ

なんてぼんやり考えたりもした。



また白衣の天使、のはずの看護師さんがあまり優しくなかった。

ここは本当に、かのマザー•テレサを生んだ場所なのであろうか。

偏見かもしれないが、

太ってる人は恐ろしいナースが多かった。

ある太っているナースが薔薇子の担当になったときだった。

彼女は常に仏頂面で、本当に優しくなかった。

私がトイレで小をしたあとだった。

彼女がきて、

「ちょっと、今なにしたの?

おしっ○したの!?

おしっ○!!

お•し•っ•○したかどうか聞いてるでしょ?!」

と怒鳴り声で聞いてきた。

薔薇子はおしっ○の英単語がわからなかったため、

「?」

という顔をしていたら

怒り顔でおしっをするジェスチャーをした。

「あっ、はい。しましたが。」

と答えると

「ハーっ!!」

と大きなため息をつき、グラスにいっぱいの水をいれ、飲むように強要してきた。

飲みきれず、途中でグラスを置くと

「飲みなさい!」

とすごい剣幕でいい、

薔薇子がやっと飲み終えると、さらにコップにいっぱい水をつぎ、薔薇子の首根っこを掴み、口に注ぎ込んだ。

昔どこそこの国でひたすら水を飲ませ続けるという

拷問の仕方があったな

なんてことを、思い出し

拷問される人は拷問する人を

こう言う目で見るのか

なんて治療してくれるナースに対して失礼な考え方を抱いてしまったこともあった。

水を飲ませ続けた理由は

どうやらおしっ○をする前に調べる検査があったようなのだ。

確かに私が悪いのだが、

見知らぬ土地で体調を崩し、不安の渦中にいる

孤独な外国人女性にもっと優しく接して欲しいものであった。


確かにおしっ○の単語を知らなかった私も悪いのだが

インド人の英語は総じて、聞き取れない。

英語圏に住むネイティブでも聞き取れないそうだ。

もはや違う言語と思った方がいい。

インドの第二言語は英語なので、彼らは英語を自由自在に操れる。(富裕層だけ。)

しかし発音がすこぶる悪いため、何をいってるか全くわからないのだ。

英語ができすぎるからこそ、話し方も速くてたちが悪い。

ゆっくり話してもらってもヒンディー発音で話すため、結局わからないのだけれど。

彼らは英単語の発音を強くしないところで強くしたり、

Rの発音をやたら強く、巻き舌ではなく、Lで発音してしまうのだ。

例えばpaperペーパーは

本来なら

「ペイパー(語尾巻き舌)」

と発音するのだが

彼らは

「ぺパル」

という。

なんだか全くわからない。

ヒンディー語かなんかだと思ってしまう。

さらにわかりやすい例でいうと

「you wanna take aバタ?」

と聞かれた。

バタが全くわからない。

「What is バタ?」

と聞くと、

バタ!

バタ!

ビー、エー、ティー、エー、ツッ!

というわけである。

「バタ?!

BATAツッ?!」

スペルを言って言ってもらっても最後の

ツッがわからない。

ABCにツッなんて存在するものか。

薔薇子が最後までわからないでいると

彼女はジェスチャーを始めた。

それで薔薇子はやっとわかった。

彼女は「bath」

と言いたかったのだと。

「エーツッ」

Hだったのだ。

彼女はエーで一回きってから強くツッというので、全くわからなかった。

エイチすら聞き取れない。

インド英語のリスニングのハードさをおわかりいただけただろうか。

そんなこんなで様々な要因から薔薇子は辛い思いをしていたわけである。

今もまだ入院中だが、ひと時も肌身はなさなかったパスポートが、薔薇子の手元にない。

病院にきたときに書類を書くため、ホテルの従業員が預かって、

彼が「病院の受付にパスポート置いてきたから」

と言ったまま、手元にもどってきてないのだ。

インドでは何が起こるかわからない。

どうか命綱のパスポートだけは所持していたい。

「パスポートをください」

と何度もいってるのだが、一向に返してもらえず、

「退院するときに渡す」の一点張り。

本当にパスポートはあるのだろうか。

インドは不安が現実になる国である。

今も不安で仕方ないのだ。

※この旅行記は入院当時書いていたものです。

「インド旅行12」はこちら↓

インド旅行12 〜侮れない国インド〜
「インド旅行11」はこちら↓今ふと思い出したのだが薔薇子がバラナシからカルカッタに戻る列車を駅構内で待っていたときの話である。この日記はインド入院時、書いたものではない。今リアルタイムで、池袋のカフ...

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