トイストーリーの最高傑作と言われる『トイストーリー3』
どんな製作秘話があるのでしょうか。
1、映画『トイストーリー3』基本情報
監督 :リー・アンクリッチ
脚本 :マイケル・アーント
原案 :ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン、リー・アンクリッチ
製作 :ダーラ・K・アンダーソン
製作総指揮 :ジョン・ラセター
出演者 :トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック
2、『トイストーリー3』製作秘話
①トイストーリー3誕生!
トイストーリーのアニメーターたちは、トマレス湾付近の宿泊施設「詩人の家」に集合し、2日間トイストーリー3のストーリーの話し合いをしました。
しかし話し合いを始めて、20分で行き詰まったそうです。
しかし2日目には「アンディは成長しているべきだ」という意見が一致します。
おもちゃたちにとって必ず訪れる時間軸の一つ、「所有者との別れ」を描くことにしたトイストーリー3。
ラストを最初に決めたそうです。
そして監督アンクリッチの
「『トイストーリー3』は前2作から引き継いだストーリーを完成させるもの」
という意見に誰もが賛同したそうですよ。
②ジブリ・スタジオの貢献
『トイストーリー3』では「トトロ」がでてくることで話題となりましたね。
ジョン・ラセターと宮崎駿は友好関係にありますし、ピクサースタジオのアニメーターたちは「ジブリ・スタジオ」の作品を敬愛しています。
今回脚本を担当したマイケル・アーントの代表作『リトル・ミスサンシャイン』(薔薇子の好きな映画!)も「ホーホケキョ隣の山田くん」に影響を受けたそう。
もしかしたら『トイストーリー3』もジブリの影響を受けているのかもしれませんね。
③悪役「ロッツォ」がウッディに教える「大切なこと」
作り手たちを悩ませたのが悪役「ロッツォ」の性格をどうするかということ。
ただ悪いだけではなく、「なぜ悪くなったのか」ということを考える必要があったのです。
昨今の悪役はただ悪いだけで、彼らの胸の内が明かされることがなかった。
だからロッツォにはきちんとロッツォの心の傷があることも描いたのです。
そしてそんなロッツォはウッディに大切なことに気づかせる役割を担います。
ロッツォは「そんなにお前のことが好きなら、その子はなぜ出て行く?」とウッディに問いかけます。
ウッディはその答えに詰まりますが、アンディが家を出て行く時、母親と抱き合って別れを惜しむ姿を見て、気づくのです。
「本物の愛」とは何か。
脚本家のアーントは次のように語っています。
「本物の愛とは、愛している人を旅立たせることのできること。
たとえ離れ離れになっても、その関係の尊さや輝きが失われることはないということなのです。」
④冒頭が西部劇から始まった理由
「『トイストーリー2』の幕開けがバズの世界から始まったので、『トイストーリー3』の幕開けは華々しいウッディの登場ではじめたかった」とリー・アンクリッチ監督は言っています。
このオープニングは、実はラストシーンとも連動しています。
アンディがボニーにおもちゃを手渡す際に、最後におもちゃと遊びます。
このシーンを印象的にするには、映画の序盤に幼いアンディが、おもちゃと遊ぶシーンを入れなくてはいけないという思いが強くなったアンクリッチ監督。
さらにストーリー監督のジェーソン・カッツは「『トイストーリー2』から10年もの月日が流れてしまったので、観客たちにトイストーリーの仲間たちにあえて嬉しいという始まり方にしたかった」と語っている。
確かにこのオープニングは、トイストーリーのキャラクターたちに総出で出迎えてもらえたような気分になりますよね。
薔薇子もワクワクした気持ちになったことを覚えています。
そしてこのシーンで印象的なのが、「機関車」
機関車はウォルトが愛し、自宅にも機関車を作ったり、ディズニーランドでもパークの周りをまるでパークを見守るように走っています。
ジョン・ラセターも鉄道が大好きで機関車を愛しています。
ファンタジーの世界につきものの機関車。
ディズニーファンにとっては喜ばしい幕開けとなったトイストーリー3でした。
⑤アンディとのお別れシーン
このラストシーンでは、映画ではよく使われがちなごく普通の夕日を使おうと思っていました。
しかしもっと特別なものが必要だと感じたアニメーターたちは木漏れ日を使用しました。
木漏れ日は、おもちゃたちにとって
「新しい希望」「新しい時代」「おもちゃたちの新しい人生の1ページ」
を意味します。
木漏れ日はボニーの象徴なのです。
また、アンディはウッディの素晴らしさについて、ボニーに語りますが、
カメラはウッディをとらえています。
これは本当はアンディがウッディに語りかけていることがわかります。
さらにアンディはおもちゃたちに別れを告げるだけではなく、自分の子供時代に別れを告げるという重要な意味をもつシーンなのです。
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