映画『ライフイズビューティフル』の前半の舞台はイタリア、トスカーナ地方にあるアレッツォです。
1、映画の世界に入れる度 ★★★★★
アレッツォは主演・監督を勤めたロベルト・ベニーニの故郷です。
そのような場所での映画ですから、まさに映画の世界を楽しめます!!
また、アレッツォのあらゆる撮影地に『ライフイズビューティフル』の看板があるのでロケ地がすぐわかり、とても楽しいですよ!
2、映画『ライフイズビューティフル』について
3、アレッツォへのアクセス
アレッツォへの主要なアクセスは、フィレンツェから列車で行くのが良いです。
所要時間は小1時間で、料金は片道1000円程度です。
4、薔薇子の旅行記 〜奇跡が起きた!人生は美しい!!〜
薔薇子は、この地で奇跡を体験します!
まさに人生は美しいと思える奇跡!!
数々の映画の舞台を訪ねましたが、一番映画に近づけたのが、この地への訪問でした。
薔薇子がアレッツォを訪ねたのは、2年前。
仲良しの叔母との旅行の最中でした。
フィレンツェに滞在していた薔薇子は、突如思い立ち、『ライフイズビューティフル』のロケ地に行きたいとわがままを言ったのです。
叔母は「キツキツのスケジュールの中、何言っちゃってんの」と思ったはずですが、優しいので快諾してくれて二人でアレッツォに向かいました。
実は、映画の後半の舞台、アウシュヴィッツも訪ねたことがあります。
後半のシーンが有名なこの映画ですが、大人になって見返すと、前半のイタリアでのストーリーも素晴らしいものがあることに気づいたのです。
だからどうしても訪ねてみたくて向かいました。
その日は、溶けそうなくらい暑い日。
アレッツォ行きの列車の前に座っているおばさんの口紅がドロドロに溶けているほどでした。
アレッツォに着き、ツーリストインフォメーションで地図をもらって出発します。
アレッツォにはロケ地に看板がついており、数々の名シーンが撮影された場所をわかりやすく示してくれています。
小さな町だから徒歩で全て観光できます。
さてある程度見終えたし帰ろうかと思った時に、薔薇子は大好きなシーンのロケ地を見逃したことに気づきました。
そのシーンは、グイドが「マリア鍵を!!」と叫ぶと鍵が空から降ってくるシーンです。
そのシーン、本当に話もユーモアもよくできていて、「ロベルト・ベニーニってすごいなあ」と心から感動したもの。
そのシーンのロケ地はなんと、先ほどすでに訪ねたグランデ広場付近にありました。
もうアレッツォ駅にいた叔母と薔薇子。
グランデ広場まではここから約1kmとまあまあ遠い距離。
叔母は汗だくだくでかなり疲れている様子。
「ここまで来たのに大好きなシーンを見ずに帰るのか、、、」
と思いましたが、駅はすぐそこなので薔薇子は後ろ髪ひかれながら叔母に「帰ろう」と言いました。
すると叔母が「大好きなシーンなんでしょ。行こう!!」と言ってくれたのです。
疲れているはずなのに優しい叔母が背中を押してくれて、グランデ広場まで再び向かいました。
グランデ広場についてもどこだかわからなかったので、
道の途中で椅子に座ってボーッとしているおじさんに聞きました。
するとおじさんは、鍵屋の場所を教えてくれると共に、グイドの営む本屋の場所も教えてくれたのです。
本屋はどこにも案内がなかったので、見落としてしまう場所。
「あぁこのおじさんに聞いてよかった」
と思っていたら、おじさんが手招きして自分の本屋にも招いてくれました。
アンティーク調でとってもおしゃれな本屋さん。
おじさんは撮影時にロベルト・ベニーニとのサイン入り写真を見せてくれ、撮影時の小話をしてくれました。
すると、なんだか涙が出てきて泣いてしまった薔薇子。
薔薇子はなんだかこの時、初めてやっと本当に映画「ライフイズビューティフル」の世界に入り込めた気がして、思わず泣いてしまったのです。
撮影場所を訪ねているときも、ある程度は感動していたのですが、実はイマイチピンとこないというか、何か物足りない気がしていました。
というのは、疲れている叔母を薔薇子が連れ回したり、わがままを言っている罪悪感があったせいだろうと思います。
映画「ライフイズビューティフル」は本当に優しさに溢れていてあたたかい作品。
そんな映画に惚れ込んで、撮影場所を訪ねているのに、わがままを貫き通す自分の、優しさの足りない内面。
しかし、もう一度戻ろうと言ってくれたおばの優しさ、そして自分の店に招いてくれたおじいさんの優しさに触れ、
やっとアレッツォの美しい景色と優しさが融合したのを感じて、きっと涙が出てきてしまったのです。
そして、さらなる奇跡が薔薇子の身に起きます。
そして例の鍵のシーン付近に行き、またキョロキョロとそのシーンのロケ地を探していると、
その辺にいたおじさんたちが、「そこだよ」と教えてくれました。
お礼を言い、「やっと大好きなシーンの場所に来られた!」
と思い、キャッキャキャッキャ写真を撮っていると、おじさんたちがまた手招きして呼んでいます。
おじさんたちのほうに行くと、一つの鍵を薔薇子に差し出しました。
「あぁ、せっかくロケ地に来たから、撮影用の小物として鍵を貸してくれたんだな」
と思い、ありがたくお借りし、思う存分写真を撮りました。
「グラッツェ!」と言い
鍵を返しに行くと
おじさんはおもむろに懐から新聞の切れ端を取り出しました。
そうです。
この鍵
何と
実際に撮影で使用されたものだったのです!
薔薇子は本当にびっくりしてしまいました。
自分の好きなシーンで実際に使われたものを手にすることができるなんて!!
こんな貴重なものを、
どこの馬の骨ともわからないただの観光客にポンと貸してくれるアレッツォの人々のおおらかさと優しさよ。
こんな温かく優しい町で育ったロベルト・ベニーニだからこそ、あんなに優しくて素晴らしい映画を作ることができたのだな
と心から思いました。
喜ぶ薔薇子を見て、おじさんたちは優しく笑いました。
そして涙を流す優しい叔母。
もしあの時叔母が「戻ろう」と言ってくれなかったら。
もし本屋さんのおじさんに話しかけなかったら。
もしおじさんたちが声をかけてくれなかったら。
様々な奇跡と優しさが集まって今回できた経験。
本当に「人生は美しい」と思える出来事でした。
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